The KLF『Chill Out』（1990年 KLF Communications）
数々の騒動を巻き起こした*1不良中年コンビによる、アンビエントハウスの祖として称揚されている本作だが、今になって聴くとなんと「ニューエイジ/ヒーリングミュージックに唾を吐け！」という叫びに満ちた作品である事か！
あまりにあまり過ぎる10点満点なジャケやタイトルだってからかい半分でしょ、きっと。
"アンビエント"という括りで集めたありったけの音をごちゃ交ぜにした結果、浮かび上がった音像は極上のブイヤベースともジャイアンシチューとも…。
「これを聴くと落ち着くと思ってる人は多分、前半で寝てるんじゃないか？」と思える程の、終盤の出鱈目さは圧巻。
素面で聴きこめば聴きこむほど、なぜ？の嵐が吹き荒ぶ構成で、チルもアウトもオアダイも出来ずに気分がひたすら高揚する快作である。
